やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路25日目 第三十九番延光寺

2022年10月11日(火) 天気曇り時々晴れ

朝4:30頃目が覚める。もう少し寝ようと試みたが、眠く無いので起きる事にした。先ずはテントを撤収し、お湯を沸かしコーンスープと昨日買ったパンを食べる。今日も風が強いし気温も少し低いようだ。ザックから長袖を出し暖かくして朝食を食べる。食べ終わり後片付けをしていると、車中泊をしていた車遍路さんが起きてきて雑談となった。車で回ってみて、次は定年になったら歩き遍路で回りたいそうだ。野宿しながら回っている私をみて物凄く羨ましいと言われていた。本人も元自衛隊員で野宿には抵抗が無いので歩き遍路は野宿スタイルでやりたいと言っている。なんだかんだ10分以上雑談し、6:10道の駅を出発した。

今日はただひたすらに第三十九番延光寺を目指し国道を歩いていく。昼頃には着きそうなので、その後、また国道を使い愛媛県に入る。そして、一本松温泉を予約し、まったり温泉に浸かる。といった予定だ。延光寺迄の道は遍路道では無い為、休憩所は期待できない。まあ、疲れたら道端に座り込むしかないだろう。一本松温泉の宿泊予約は、延光寺に着いてからすれば良い。もし空室が無ければ、温泉だけ浸かり野宿だ。

7:00頃一回目の休憩。道端に座り込み休んでいて、ふと自分の靴の裏をみてみた。左右ともマメが出来ている中指と人差し指の付け根の部分の靴底は、すり減ってブロック部分が無くなっている。今回の遍路用に新しく購入した靴だが、もうこんなにすり減っているとは。遍路はまだ残り半分有るが、靴は持つのだろうか?少し心配になってきた。私の体力と、靴の裏。どちらが強いだろうか?

10分ばかり休憩しまた歩き始める。軽いアップダウンの道を黙々と歩き続けていると、道の駅すくも迄1.5Kmの看板。道の駅は工事中だとGoogleマップに記されていたが、この辺りの看板にはそんな様子は見て取れない。仮営業してるのかなぁ?と淡い期待をしながら向かっていく。

9:03道の駅すくもに到着。着いてみると淡い期待は消え、敷地内を封鎖して重機が更地にすべく動き回っている。安全の為に出入口を絞り、仮営業どころか完全な建替え工事を行なっている。淡い期待で途中休憩せず歩いてきたので、このまま通り過ぎて行く体力が無い。出入口の警備員に挨拶し、「ちょっとここで休憩しま〜す。」と声を掛けて、道端で休憩する事にした。

9:20休憩を終え出発。また国道沿いをひたすら歩く。大きな川を渡り宿毛の市街地に入る。暫く行くと、延光寺から次の観自在寺に向かう遍路道に10:14合流した。丁度遍路小屋第33号宿毛があったので休憩する。ここから延光寺迄は、5.8Km1時間半ぐらいで着くはずだ。広い休憩所で靴下を脱いで足を乾かし、10:30出発する。暫く行くと、「延光寺まで6.3km」の表示が。あれ?500m増えてる。どっちが正しいのかなぁ?と思いながら歩いていると、道端に止まっていた車からご婦人が出てきて、「歩き遍路お疲れ様です。これお接待です。」と500円玉を1枚手に入れてくれた。「ありがとうございます。」と素直に受け取った。「重い荷物背負って大変ですね。頑張ってください。私たちは車で先に行きますので。」と言われ車に戻っていった。車を見ると、助手席にも同じくらいの年齢のご婦人が笑顔で座っていた。お辞儀をして感謝の気持ちを伝え、車が走って行くのを見送った。このお接待の文化は四国独特なのだろうが、いつ受けても、何を頂いても本当に嬉しい。

11:40延光寺への山越えの遍路道の入口にを通過。国道から左にそれて小山を越えショートカットする道だ。久々の山道で勾配もきつくなく歩いていて気持ちが良い。途中何本か竹が倒れて道を塞いでいたが、簡単に乗り越える事ができ、12:03延光寺に到着。高知県最後のお寺だ。第二十四番最御崎寺から延々と歩き、やっとここ迄たどり着いた。何となく感慨に浸りながらお参りをし納経所に向かおうとしたら、先程お接待を頂いたご婦人2人が。「やっぱり歩くと時間かかるのね。私達、あの後お茶してここに来て、参拝も終わり散歩してたのよ。この次のお寺まで遠いから頑張ってね。」と話された。改めて先程のお礼を言い見送った。先程会った所から5キロぐらいだから車だと10分もかからないだろう。改めて文明の力を感じさせられた。

御朱印を頂き一本松温泉の予約をし、12:30延光寺を出発。来た道を折り返すので、山道に入り国道56号に戻る。緩い登り坂を歩いていると、向こうから自転車で来るおっちゃんが自転車を止め、「ちょっと待ってや。お接待やから受け取って」と言い、バックの中からチョコバーを出して渡してくれた。「冷やしとるから、溶ける前に食べてな」と言われたので、お礼を言い頂いた。「あんたでごゃくさんじゅう何人目じゃな。」最後まではっきり聞き取れなかったが、お接待してた数を数えている様だ。話し好きのおっちゃんで、この先の松尾峠の状況や、過去出会った歩き遍路さんの事などを話してくれた。松尾峠は、実際に自分で歩き道の状況を確認して伝えてくれているので、これから行く人にとって大変有益な情報だったが、私自身、今日は旧道の松尾峠を通らず、56号線で一本松温泉に行く予定なのでそれを話したら、「一本松温泉に行くならそれが正解やろ。松尾峠越えたら大分遅くなるからなぁ。日が暮れるのが早くなったから暗くなってからの山道は危ない。安全に頑張って行きなさい。」と激励された。お礼を言いおっちゃんと別れた。

暫く歩くとローソンがあったので、ちょっと遅い昼飯休憩。30分ばかり休みまた歩き始める。14:30先程休憩した遍路小屋の前を曲がり第四十番観自在寺方面に向かう。宿毛歴史館の前にある宿毛出身の21人の偉人達の生家などを記した看板をみる。吉田茂以外は一人一人の名前は知らないが、その功績をみるとそれぞれ歴史に残っている活躍をした方々だ。この小さな町にこんなに今の日本の基盤を作った偉人達が居たとは驚きだった。

宿毛の市街地を抜け国道56号に戻る。ここからは、ひたすら今日の宿に決めた一本松温泉迄の道のりだ。ダラダラとした登り坂を歩く。16:37県境のトンネルに入る。トンネルの中も登り坂だ。16:53トンネルを2本抜けここからは暫く下り坂だ。右足のマメの皮が着地毎にずれているのが感じられるが、なるべく気にしない様に歩く。

17:37一本松温泉に到着。チェックインをして部屋に案内して頂く。温泉と晩御飯悩んだが、先に晩御飯を食べ温泉に入る事にした。

温泉は少し湯温が低い感じはしたが、ちょっとぬるっとしたいい感じの湯だった。内風呂も同じ湯が出るとの事なので、内風呂でもまったりさせてもらった。

 

本日の歩行距離  39.0Km(57,956歩)

お参りした札所  第三十九番延光寺