やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路45日目 高野山金剛峯寺、奥之院

2022年10月31日(月) 天気 晴

今朝は意識してゆっくり寝ていようと思っていたのに、5時頃に目が覚めた。昨夜は21時前には寝ていたから仕方ないかなぁ。

誰もいないゲストハウスで、朝食を食べのんびり過ごす。今日の予定は、金剛峯寺に行きお参りした後御朱印を頂き、大門経由で女人堂へ行き、奥之院にお参りして御朱印を頂く。途中歩きながら紅葉を楽しむのと、何処かで胡麻豆腐スイーツを食べる事だ。金剛峯寺迄は約30分だから、8時過ぎに宿を出ればいい。朝食後もコーヒーを二杯飲んでまったり過ごす。

8:38宿を出る。朝日が眩しいが、外の空気は少しヒンヤリする。まずは宿から金剛峯寺を目指して歩く。昨夜コンビニに寄って宿まで歩いて来た道だ。道路の両サイドの木々が高く立っているので、朝日はまだ当らず薄暗い感じだ。一の橋を過ぎると道路の両サイドにお寺や民家などがあり紅葉も綺麗だ。お寺と紅葉は本当によく合う景色だ。まだ朝早いので観光客も少なく写真も撮りやすい。本当に紅葉の綺麗な場所には腕章を付けたプロカメラマンみたいな人が撮影を行なっていた。

あちこち写真を撮りながら歩いていたら、9:14金剛峯寺に到着した。流石に境内に入ると観光客も多く、四国遍路の白衣や、さんや袋を下げている人も多く見かける。蝋燭をつけ線香をさしお札を納め本堂に行き般若心経を唱える。ここでもお経を唱えるうちにグッと込み上げてくるものがあり、思わず涙ぐんでしまう。歳をとると涙腺が弱くなってしまうがそれだけではないだろう。まだ奥之院のお参りが終わっていないが、ここまで来た達成感が気持ちを高揚させているのだろう。

最後に納経所で御朱印を頂く。篠栗88ヶ所と四国88ヶ所の納経所を出しお願いする。「篠栗88ヶ所と四国88ヶ所の納経書です。お願いします。」と差し出すと、「篠栗88ヶ所は久し振りに見るなぁ。篠栗って九州だったよね。?」と言われたので、「はい、福岡から飯塚に向かっていく途中ですよ。歩きで三日間のコースです。」と答えると、「おお、そんなに掛かるんか〜」といった反応だった。

御朱印を頂き広い境内の中を歩きながら紅葉を楽しむ。その後根本大塔、金堂を見た後大門に向かう。金堂から先の道はほとんど歩いている人がいない。10:03大門に着いたが誰もいない。周囲をゆっくり回り写真を撮りまた来た道を金剛峯寺の先まで帰っていく。

途中、胡麻豆腐スイーツを出しているカフェがあったのでちょっと立ち寄り、抹茶胡麻豆腐小豆を食べ休憩する。昼食タイム前に店内消毒を行うという事で長居はできなかったが、念願のスイーツは食する事ができた。

金剛峯寺の先を左に曲がり浪切不動尊に向かう。元寇のおり、ここの不動尊に元軍の退散を祈願し、元軍が引き上げた後、二度と敵が攻めてこないよう志賀島不動尊の背後についている炎のような浪を置いて来たそうだ。志賀島には「火焔塚」と言われる祠があるので、今度ここにも行ってみたい。浪切不動尊で浪がない不動尊を拝観しようと本堂の中を見たが、中が暗くよくわからなかった。

10:49に浪切不動尊を出て女人堂に向かう。明治になるまで高野山は女人禁制の街だったため女性がお参りに来た時、この女人堂より中に入る事が許されず、高野山の周囲をお鉢巡りのように1周していたそうだ。お参りした後ここのスタッフに色々説明して頂き、11:15女人堂を後にする。

ここから奥之院に向かって歩く。一旦千手院橋の所を左に曲がり、一の橋まで戻り奥之院に入っていく。名だたる戦国武将や大名家の墓の前を通りながら奥之院に向かう。御廟橋の手前に御供所があり、先に御朱印を頂きに行く。ここでも篠栗88ヶ所の納経書と四国88ヶ所の納経書を出すと、「篠栗も行かれたのですか。福岡の方ですか?」と窓口の女性に聞かれた。「はいそうです。お四国さんを回る前に脚試しに回ってみたんです。でも、実際に四国を歩くとレベルが違いました。」と答えた。「私も福岡県出身なんですが、篠栗88ヶ所は行った事ないんです。偶に納経書をお持ちになる方がいらっしゃいますがどのくらいかかるのですか?」「歩きで三日です。因みに四国は43日掛かかりました。」「それはお疲れ様でした。奥之院の御朱印には日付が入るので、今日が正式に結願日となります。」と御朱印の横に日付を押印してくれた。お姿は有料での配布という事なので、四国88ヶ所の納経書に残すため、1枚だけ頂いた。

御朱印をいただいた後に奥之院弘法大師御廟に向かう。御廟橋から先は撮影禁止エリアになる

。携帯のカメラを片付け奥に進んでいく。本堂(大師堂?)の中に入り般若心経を唱える。薄暗い建物の中でお経本の字が見えづらいが、ゆっくり読み上げる。その後建物の裏を周り参拝し、奥之院を出る。これで本当に88ヶ所巡礼がおわったんだなぁと思うと、なんだか寂しくなった。

御廟橋を渡り英霊殿に向かう。以前来た時もこの辺りが一番紅葉が綺麗だった記憶があり、今日はどんなものかな〜と期待しながら歩く。近付くにつれ期待を裏切らない事がわかる。銀杏の落ち葉の黄色い絨毯や、真っ赤な紅葉など撮影ポイントが沢山ある。それに合わせ観光客も多くあちこちでシャッターを切る音や、大きな話し声がする。プロ顔負けの機材を準備しているお年寄りのカメラマンも何人か撮影アングルを探し歩いている。そんな中、携帯のカメラで数枚写真を撮り昼飯を食べるべく駐車場方面に向かう。

奥之院バス停、駐車場近辺のレストランは順番待ちのようなので、宿の先にある豚カツ屋を目指す。12:57豚カツ屋に到着。店に入るとカウンター席は空いていたが、4人がけ、6人掛け席はいっぱいだった。丁度10人の団体客が入ったばかりだった様で、厨房のご夫婦はてんてこ舞いしていた。カウンター席に座り来店したことを厨房に伝え暫く待つことにした。5〜6分待ったら注文を聞きに来たのでB定食をお願いし美味しく頂いた。

宿の直ぐ近くに居るが、まだ宿に戻るには少し早いかなぁ〜と思ったので、奥之院の駐車場辺りの土産物屋を物色し、14:30宿に戻りゆっくりする。

今日は私以外に2名宿泊者がいるそうだ。どの様な宿泊客か楽しみである。そう思っていたら、1人目の客がやってきた。外国人の若い女性だ。流暢に英語でオーナーと会話している。会話のスピードが早く全くといっていいほど聞き取れない。チェックインを済ませバックパックを置き外出していった。暫くするともう1人の宿泊客がやって来た。日本人の少し年配のおじさんだ。日本人客にしては珍しくバックパックを背負っている。どうやら明日から熊野古道を歩くためにここに宿泊するらしい。チェックインの手続きと合わせオーナーが明日のルートを確認していたが、かなりタイトなルートで、この年配客の脚力だと12〜13時間くらいかかりそうだと言っていた。明日の宿泊先の宿のオーナーと電話で話をしながらルート確認をしていたが、本人は仕事の都合があり、どうしても明日中にその宿まで行かないとスケジュールがこなせない様だ。テントを持参していないとの事でオーナーはかなり心配していたが、今日の奥之院ナイトツアーと明日の朝のお勤め体験をキャンセルし、朝早くに出発する事を勧めていた。明日の天気予報は

チェックインの手続きが終わりオーナーが退出した後この客と話をしてみたが、私でもちょっっと二の足を踏むのではないかと思われるルートだったので、明日歩けても明後日以降の体力が心配されそうだった。本人もオーナーにアドバイスされ朝早く出発すると言っていたので、頑張って歩いて欲しい。

その後もその客と雑談していたが、18時を過ぎたのでシャワーを浴び19時過ぎには私は部屋に入り寝床に着くことにした。明日の天気は朝から雨の予報なので朝ゆっくりして高野山を早めに出て難波あたりで時間調整しフェリー乗り場に向かって行こうと思う。

 

本日の歩行距離 13.0km(18,569歩)

お参りした札所 高野山金剛峯寺高野山奥之院