やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路42日目 第八十五番八栗寺、八十六番志度寺、八十七番長尾寺

2022年10月28日(金) 天気 晴

朝5寺半過ぎに起きテントを撤収し、軽く朝ごはんを食べ、6:08出発する。次の八十五番八栗寺に行くには、まず屋島寺のある山を下り川を渡りまた山を登って行く。朝一番の山道はまだ薄暗いし、夜露で濡れているので車道を下って行く。道すがら源平合戦の古戦場を通過するので、当時の合戦の模様などが残されてある。

7:05洲崎寺の前を通過。洲崎寺は、弘法大師により創建された寺で、四国遍路を庶民に広めた真念の墓がある所だ。朝早い事もあり、写真だけ撮り前を通過する。

牟礼の旧市街地を通りながら、だんだん道が登り始めた。うどんの山田屋の前を通過し勾配がキツくなってくる。

7:25八栗寺ケーブルカー乗り場に到着する。売店で小腹を満たす程度のお菓子を買い、この後の山道に備えるため、少し休憩する。

7:40ケーブルカー乗り場を出発。八栗寺まで1.1kmの表示がある。どの程度の上り坂か楽しみに登り始める。するとすぐ先に「男はつらいよ 寅次郎の縁談」のロケで使用されたよもぎ餅屋がある。中からよもぎのいい匂いがするのだが、まだ店は空いていない。後ろ髪を引かれながら前を通り過ぎる。

上り坂の勾配はかなり急だが、路面は舗装してあり歩きやすい。意外と歩きやすいな〜と思っていたら遍路道は山道へと誘導された。山道は整備されておりそれなりの勾配だが歩きやすい。終盤になって体ができてきたようだ。

7:59お迎え大師の像の前に到着する。ここは展望の良い場所で、遠くに高松市内や、昨日お参りした一宮寺の方向がよく見渡せる。八栗寺まではもう少しなので、写真を何枚か撮って休憩せずに歩き始める。

8:01「歓喜天」と書かれた鳥居をくぐり、八栗寺の山門前に到着する。菩提樹の木の下のベンチに荷物を置き参拝する。このお寺も山の上にあるのに境内は広くゆったりとしているが、本堂や大師堂の後ろを見ると、五剣山が覆いかぶさるように迫って見える。

8:25御朱印を頂き八栗寺を出発する。ケーブルカー乗り場の方に出て、左に曲がり舗装された道を下っていく。次の八十六番志度寺まで6.4Kmの表示がある。山を降れば志度寺まではほぼ平坦だから10時30分頃には着くだろう。そんな計算をしながら山を下っていく。

志度の町に入ると、あちこちに平賀源内の功績を記載した看板や記念館などがある。ここ志度町は平賀源内の生誕地であることから、町全体で平賀源内を推している事がよくわかる。志度寺の手前には平賀源内の墓もあり、街は源内一色だ。

10:27志度寺に到着する。街中にあるお寺だが、やはりそこは歴史のあるお寺だけに、境内には木々が多い繁り森の中に入ったような感覚になる。参拝を終え10:52出発する。

次の八十七番長尾寺までは、ほぼまっすぐ南へ平坦な道を進んでいく。今日の予定は、長尾寺を打って、そのまま第八十八番大窪寺方面に向かい、途中の「前山遍路交流サロン」に立ち寄り、道の駅ながおで野宿する予定だ。今のペースだと余裕で行けそうだ。

所々に休憩所があるが、のんびり歩いているので休憩せずに素通りしていくが、11:54うどん屋の駐車場の片隅にあった休憩所に寄り昼食休憩とする。うどん屋は客が多くていっぱいだったので、休憩所で昨日買った携帯食を出し昼食とする。

12:10休憩所を出てまた歩き始める。ここから長尾寺までは2.3kmの看板が出ている。この先は休憩せず行けそうだ。ほぼ平坦な旧街道を進み、12:41長尾寺に到着する。

長尾寺も街中にあるお寺だが、あまり木々が茂っている感じはなく、境内が広々見える。個々の名物が、「甘納豆おはぎ」とあちらこちらに書かれているので、参拝の後御朱印を頂き納経所で2個入りの「甘納豆おはぎ」を購入し、荷物を下ろしていたベンチで美味しくいただいた。おはぎに甘納豆ときな粉がまぶしてあり、上品な甘さで2個はペロリと食べることができた。

13:10長尾寺を出発。ここからはほぼ県道3号線を歩く。1時間くらい歩いていると、道はだんだん上り坂になっていく。道の駅ながおの標高が約150mだから大した登りではないが、ジワジワと足に疲れが出てくる。前山ダムの堤防が見えた所くらいから、一気に勾配がキツくなりダム湖の周辺道路に出る。

14:27前山遍路交流サロンに到着する。受付をし、認定書とバッチを頂く。ドイツ人のZさんは午前中にここに来たと言っていたので、今日中に大窪寺を打ち一番霊山寺に向かっているのだろう。私は道の駅に野宿しようと思ったが、まだ時間が早いのでもう少し歩いていく事にした。サロンの展示を見て道の駅で食材を購入し15:12道の駅ながおを後にした。

遍路交流サロンの方の情報だと、このまま県道を歩いていくと、遍路交流サロンと大窪寺の、ちょうど中間地点付近に天体望遠鏡博物館と産直市場があり、そこに遍路休憩所があるそうだ。トイレも夜間開放しているので、そこで今日は四国最後の野宿をしよう。そう決め、県道をひたすら登って行く。途中、野生の猿が喧嘩をしている所に出会う。道路の法面の上と木の枝にいる猿が威嚇の声を上げながら喧嘩しているようだった。先ほどの遍路交流サロンの方も、最近猿がちょくちょく現れ、柿の実などを食い散らかしていると言っていた。今晩野宿する時に食べ物のカスなどを外に置かない様気を付けないといけないなぁ。

標高360m位の峠を越え下って行っていると、左に曲がった所に天体望遠鏡博物館の看板が見えてきた。廃校になった小学校を改造して作った博物館だ。その横には産直市場と間に挟まれるように遍路休憩所がある。産直品販売所の一角で、屋根もあり電源も取れる。野宿場所としては最高の立地だ。16:47早速荷物を下ろしテントを張る。休憩所で夕食を食べていると、地元の方なのか、天体望遠鏡博物館の見回り?に来て施錠確認をしていた。「ここで寝るんかい?夜は寒いから風邪引かんようにな。」と声をかけて頂いた。今日で最後の野宿だが、本当に四国の方々は野宿遍路に優しいと思う。ありがたい事だ。

 

本日の歩行距離  33.9Km(47,379歩)

お参りした札所  第八十五番八栗寺、八十六番志度寺、八十七番長尾寺