やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路17日目 第三十五番清瀧寺、三十六番青龍寺

2022年10月3日(月) 天気 晴

朝5時に目が覚めた。昨夜はゆっくり寝れたので寝覚めが良い。通夜堂内で食事はできないので、荷物を纏め部屋の掃除を行い境内のベンチに移動した。カロリーメイトと羊羹の朝食を済ませ、6:13種間寺を出発。道を歩き出したら、立派な角を持った山羊がお出迎え。人馴れしている様で近づいても逃げない。喉の下を撫でると気持ち良さそうに目を薄めてきた。最後に一緒に記念撮影をし山羊と別れる。第三十五番清瀧寺までは遍路道の標識を辿り歩き続ける。左足のマメは、昨日より痛みが少なく歩きやすい。足を着いた時にマメの中で溜まっている汁が動く感じがしない。このまま上の皮が取れて、一番中の皮膚の皮が厚くなれば完治かなぁ?

そろそろ休憩したいのに、なかなか良い場所がないな〜と思い歩いていると、仁淀川を渡った所にある仁淀川次郎兵衛の碑の所で休憩できそうだ。7:22から10分ほど休憩し川沿いの土手を歩き始めた。その後また市街地に入り8:32高速道路の下を通過。8:49車道と別れ山道の遍路道に入る。セメント張の急勾配な道だ。朝からずっと平坦な道を歩いていたから久しぶりの上り坂がきつい。汗を掻き掻き登っていると8:56山門に到着。柱に龍の装飾や天井に龍の絵が描かれた立派な仁王門だ。これは車道を通っている人には見る事ができないので汗を掻いた甲斐があった。

8:59清瀧寺到着。参拝を済ませ境内からの展望を楽しんだ後納経所に行き御朱印を頂く。

9:30清瀧寺を出発。下は車道を通ってみる事にした。遍路道の分岐を過ぎ、先ほど歩いてきた道を逆に歩いて行くと第三十六番青龍寺への分岐にきた。そのまま南に進み県道39号線に出た所に10:38ファミリーマートを発見。お手洗いを借り、イートインコーナーでホットコーヒーとアイスのおやつタイム。ここのファミマはトイレも綺麗だし、イートインも利用でき、丁度休憩したいと思った所にあるので最高に有難い。久々のアイスに癒された後、10:52ファミマを出る。

ここからまた遍路道の標識に従いながら青龍寺を目指す。市街地から段々外れ山間の道になっていく。

11:43塚地休憩所に到着。休憩しながら今日の宿を確保すべく電話をかける。3件目がつながり今日部屋が空いているとの事なので予約する。素泊まりなので、宿の近くで晩御飯の買い出しができるかを聞いたら、「橋を渡る手前にファミマがある。ここは、歩き遍路なら荷物を預かってくれるからそこに荷物を預け買い物したらどうですか。」との事。青龍寺へは、以前は渡船で渡り往復していたが、今は宇佐大橋という立派な橋が架かっているのだ。遍路道は橋を使い青龍寺へ行き、また戻って橋を渡り次の第三十七番岩本寺へ行くルートになる。つまりファミマに荷物を預ける事が出来れば、橋の手前から往復を空荷で行ける訳だ。これは助かる。店主に礼を言い電話を切ると、昨日も会った歩き遍路の男性が休憩所に入ってきた。挨拶をし今日の予定を話していると、先程私が予約した宿に泊まるというではないか。本当に偶然の巡り合わせだ。

12:07休憩所を出発。ここからは山道になる遍路道と、トンネルを通り県道39号で行く車道とに別れる。もう一人の歩き遍路さんはトンネルを通り車道で行くと言うが、私は時間もあるし遍路道を通ることにした。「じゃあ、宿で会いましょう」と別れ山道を進んでいった。山頂が標高200m程度の山越えの道なので、上り坂自体は大したことはない。が汗が噴き出る。休憩所から峠の頂上まで800mの看板。100m毎に看板はあり一歩一歩歩いていると確実に峠に近づいていることを教えてくれる。

12:34塚地峠に到着。後は下りだ。上りより下の方がなだらかで、落ち葉の絨毯の上を歩いて行く所が多い。足を滑らさない様に気をつけながらマメの痛みを少し感じつつ下って行く。

13:05安政地震の碑の前に到着。1707年の地震津波の被害の教訓を伝えた碑だ。碑には当時の状況が詳細に刻まれていると看板に記載されているが、石碑は古くなっており私には読み取る事ができなかった。ただし、地震津波がセットで被害を及ぼす事を後世に伝えたいと言った先人の意志は感じられる。

13:27橋の手前のファミリーマートに到着。早速レジの女性に荷物を預かって欲しいことを伝えると、広々したイートインスペースに置いて置く様指示された。そこには先ほど別れた男性遍路さんの荷物が置いてあった。やはりトンネル越えの方が早かったんだな。いや、自分のペースが遅いから簡単にどっちが早かったかは分からない。と考え直し。まずは休憩とイートインスペースで、購入したフルーツジュースを飲みながら足を乾かした。

13:46ファミマ出発。レジの女性に「じゃあ、行ってきます。」と挨拶し出かける。まずは目の前にドーンと視界を遮る宇佐大橋を渡っていく。橋の上を歩くと風が気持ち良い。橋を渡った先を右に曲がると旧遍路道になる。看板には、「旧へんろ道 坂道ですが約30分です」と記載されている。住宅地を抜け山道を入る所に、「峠まで520m 清滝寺まで1.8Km」の看板。これなら楽勝楽勝とばかりに登り始める。14:18峠に到着そのまま山道を下りて行く。14:32車道との合流地点を通過。14:41青龍寺に到着。やはり空荷だと足が軽い。自撮りした写真の表情も軽やかだ。本堂までのちょっと長い石段を軽快にあがり参拝を済ませ石段を下り納経所で御朱印を頂く。

15:00青龍寺を出発。帰りは海岸沿いの車道を通る。

15:44に物を預けたファミマに到着。帰って来た事をレジの女性に告げ、今日の晩飯と明日の朝飯の調達をし15:56ファミマを出発。預けた荷物を背負うとずっしりと背中にのしかかってくる。この差がマメの原因か?疲労の原因だ。と感じつつ本日の宿に向かう。歩いていると、前方に止まっている車から男性が出てきて、名前を呼ばれた。宿の方だ。「そろそろかな?と思ってここで待っていました。後300m位ですので頑張って来てください。」と言われ、先に宿に向かって行った。

16:11本日の宿に到着。受付を済ませ設備の説明を受けた後、「明日の渡船は始発が7:10ですよ。」と言われた。なんの事か分からないので、「渡船って何ですか?」と聞いたら、「昔、弘法大師がここから船で横浪まで行ったそうなので、遍路道が渡船で横浪に行くルートになっているんですよ。」との事。これは付いてる。2〜3時間歩かず1時間程度船に乗れば良いのだ。「乗り場はすぐその先ですよ」と言われたので、シャワーを浴びる前に乗り場を確認する事にした。

乗り場を確認し、シャワーを浴びて洗濯しながら、晩御飯の時間まで、同宿の男性遍路さんと色々情報交換をする。仙台からの遍路さんで、事前にこの船旅ルートを知っていたから乗り場に近いこの宿を予約していたそうだ。当初は野宿遍路をする予定で準備していたそうで、色々な野宿場所を教えて頂いた。何故野宿遍路にしなかったのか聞いたところ、荷物の量を考えると体力的に無理だと判断したらしい。私の荷物を持ってみて、野宿遍路しなくて正解だと語っていた。また、西分の駅近くで、散歩していた萩森さんに会い、一緒に歩きながら雑談したとの事。どうやら、コロナ禍で歩き遍路も減り、自身も年老いて善根宿を維持管理するのが難しくなった為、取り壊し、希望があれば自宅に宿泊させているとの事だ。どおりでいくら探してもないはずだ。

18時頃洗濯が終わったので、私はコンビニ弁当を、彼は近くの定食屋に出かけ夕食タイム。

20時頃食事を終え帰って来たので、1時間程度雑談して各々の部屋に戻った。

 

本日の歩行距離  31.5Km(44,970歩)

お参りした札所  第三十五番清瀧寺、三十六番青龍寺