やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路36日目 第六十二番宝寿寺、六十三番吉祥寺、六十四番前神寺

2022年10月22日(土)  天気 雲後晴

朝6時に宿の方の「朝食の準備が出来ました。」の声で目が覚めた。今回の遍路の旅の中でこんなにぐっすり寝ていたのは初めてだ。急いで顔を洗い食堂へ行く。朝飯は普通の旅館の朝定食だった。

この宿は以前道路側に有る古い建物だったが、コロナ禍に新築したまま9月まで休業していたそうだ。通りで部屋に入ると新しい畳の匂いが香っていたのか。

歩きの男性遍路さん2人と車の二人組の女性遍路さんと私の計5名の宿泊だったのは、まだオープンした事が知れ渡っていないからかもしれない。男性の一方は今回で歩き遍路四周目で、コロナ前に古い建物の時宿泊したそうだ。夕食のしゃぶしゃぶはこの宿の名物だそうで、連泊すると2日目はすき焼きになるそうだ。個人的には最初がすき焼きの方が良かったが、しゃぶしゃぶで充分満足していたのだから、良しとしなければいけないだろう。

朝食を食べ終わり部屋戻り荷物を纏め、6:50宿を出る。先ずは第六十二番宝寿寺に行く。宿からは直ぐなので、のんびり歩いたが、6:59に到着する。こじんまりとしたお寺で敷地も狭い。朝早かったので、まだ納経所の準備が出来ていなかったので、お参り後少し待って御朱印を頂く。

7:19宝寿寺を出発。次の第六十三番吉祥寺に向かう。国道11号線沿いを歩き7:37吉祥寺に到着する。ここは本堂の改修工事中で大師堂にお参りをする。ここは、四国霊場の中で唯一毘沙門天がご本尊として祀られているそうなのだが、工事中はどうなっているのだろう?

7:51お参りを終え出発する。次の第六十四番前神寺迄は3.2kmなので、休憩せず一気に行く事にする。前神寺の直ぐ手前には石鎚神社があり昔は何か関係があったのではないかと思わせる。

8:32前神寺山門に到着。本堂は駐車場の先なのでもう少し歩かないと行けない。8:39本堂前に着く。宝寿寺、吉祥寺が街中でこじんまりとしたお寺だったのと比べるとあまりにも広い境内だ。明治の神仏分離迄は、石鎚神社の所にあったそうだ。一旦廃寺になり明治11年に再興されたとある。歴史あるお寺だけに以前同様の広い敷地で再興されたのだろう。

お参りを済ませ御朱印を頂き9:03出発する。

この後は、国道11号線沿いに旧街道と11号線を使い六十五番三角寺に向かって歩いて行く。理想は伊予三島辺りまで行きたいが、日暮れ時を目安に野宿ポイントを決めていきたい。

街中の旧街道を抜け田圃の間の道を歩いて行く。後ろから来た車を避けて右端に寄っていたら、運転していた年配の女性が車を止めて呼び掛けてきた。「歩いて遍路してるんじゃろ?家の前を通るのが見えたから買い物行くついでに追いかけて来たんよ。お接待させてね。」と言われ、板チョコと良く冷えたリポDを頂いた。「私も昔車で回ったんよ。歩きの人は大変じゃけど頑張ってね」と励まされた。お礼を言い車が行くのを見送った。

旧道を歩き川を渡り、川沿いの公園の横を通過した後遍路道の看板を見落としたらしく、国道11号線に出てしまった。まあ、この先合流するのだから引き戻る事もないや。と思いそのまま歩く。

10:18道端に休憩できるベンチがあったのでそこで先ほど頂いたチョコとリポDで休憩する。10:35出発。暫く国道11号線を歩く。昼飯時になったので、ローソンに入りイートインコーナーでコンビニ弁当を頂き休憩する。昼食後暫く国道11号線を歩いていると、遍路道の案内があったので旧道に入る。旧道を歩いていると急にアーケードの付いたシャッター街商店街に入った。

13:39商店街の中心だったと思われるふれあい広場で休憩する。喜光地商店街というところの様だ。元営業していたと思わせる看板が残っているが、完全にシャッター街だ。歩いている人はおらず、時より学生が自転車で通過している。取り残された街の感じで何だか寂しさを感じた。

14:11休憩を終え出発する。また暫くシャッター街を歩き旧道に出る。旧道を暫く歩くと国道11号線に合流し、峠道になる。

15:41峠の手前にある善根宿の前を通過する。明日のことを考えるとここに泊まる訳にはいかない。民家をそのまま使用し歩き遍路の拠り所になりそうな感じで、せっかくのご厚意を踏みにじる様で申し訳ないが、そのまま素通りして行く。

15:46峠を越えた所に四国の道の案内看板があった。ここから延命寺まで5.5kmと書かれている。今日の野宿場所は延命寺の横にある公園の四阿にしよう。もし17時までに着けば御朱印を頂き数珠玉を買おう。そう思い歩き出す。

旧街道に入り歩いていると15:53バラ園の横に休憩所があった。ちょっと疲れていたのでここで休憩する。16:12出発。このペースだと延命寺の納経所には間に合わないな〜と分かってきたのでペースを落としゆっくり歩く。日没迄に着けば良いや。と思いながら歩いていると、16:20遍路休憩所の看板が。「弘法の館」と大きな看板が掲げられている。写真だけ撮って素通りしようと思ったらここの女性が、「是非休憩して行って下さい。」と呼び止めてくれた。さっき休憩したばかりだが、せっかく呼び止めてくれたので、また休憩する事にした。

中に入ると壁一面にお札が貼ってある。今迄ここでお接待を受けた人達が置いていったのだろう。この休憩所の歴史とお接待の有難い気持ちを感じられる。先程の女性が健康ドリンクとパックに入ったお茶を出してくれた。有り難く頂きながら女性と雑談する。どうやらこの休憩所は、女性の父親が歩き遍路の人の為に作りご接待していたのを引き継いだ様だ。本人はまだ88ヶ所を巡礼した事が無く、近くのお寺しか知らないそうだ。それでも歩き遍路している方を見ると凄いと感心すると言っていた。コロナ前は宿泊も出来たのだが、今は休憩だけにしているそうだ。

16:47女性にお礼を言って出発する。暫く旧街道を歩き延命寺を目指す。だんだん日が落ちて来て暗くなり始めた頃、やっと延命寺が見えて来た。

17:46延命寺横の公園に到着する。四阿の下には既に先客のテントが張られていた。他にテントを張れそうな場所を物色していたら、テントから出てきたのは、先日来会っている野宿スタイルの方だった。挨拶をし、私もここでテント泊する事を伝え四阿の横の松の木下にテントを張る事にした。土の上に落ち葉が乗っておりふかふかで気持ちいいし、上には屋根は無いが綺麗に剪定された松の枝が何層にもあるので夜露も大丈夫そうだ。

明日は早起きして第六十六番雲辺寺迄行きたいなぁ〜。

 

本日の歩行距離  35.2km(48,582歩)

お参りした札所  第六十二番宝寿時、六十三番吉祥寺、六十四番前神寺