やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路29日目 別格第八番十夜ヶ橋永徳寺

2022年10月15日(土) 天気 晴

朝4時過ぎに目が覚めた。なんだか寝苦しい。寝袋から出ている顔や腕が湿って冷たい。完全に目覚めてしまったので、とりあえず起きて歩く事にした。荷物を整理して4:39出発する。まだ辺りは真っ暗なのでヘッドライトを付け歩き出す。なんだかひんやりしていたのは、霧が出ていたからだった。ライトの光に霧が見える。少し歩くと四国に来てずっと伸ばしている無精髭に水滴が溜まるくらいの霧だ。この辺りは盆地だからこの時期霧が良く出るようだ。

旧道から国道56号線に出て暫く行くとファミマがあったので、イートインスペースを借りて朝食をとる。食べ終わって外に出るがまだ暗い。国道の通行量は次第に増えているが、霧は濃いままなのでヘッドライトを付け安全に歩道を歩いていく。6時過ぎると辺りも明るくなりもうライトはいらないので、カバンにしまう。かなり高台に来ている為、霧の溜まっている所の上に来たようだ。

6:31鳥坂番所跡の遍路小屋第49号ひじ川源流の里に着く。この後、遍路道は山越えの旧道になるが、今日は距離を稼ぎたいので国道を通る事にする。

6:45休憩を終え出発。直ぐに遍路道は左に曲がり鳥坂峠に行くような看板や表示が出てきた。ちょっと後ろ髪引かれる思いで、そのまま国道56号線を行く。

6:59鳥坂隧道入口に到着。歩行者は入口で反射タスキの貸し出しをしている。トンネルの入口で借りて出口で返す仕組みだ。数も50本以上は準備してあり有難いサービスだ。私はザックの後ろに事前に反射タスキを付けているので、ここのタスキは借りずトンネルに向かう。長さが1,117mのトンネルだ。歩けば20分くらいかかる。時間的にも朝の通勤時間という事もあり車が多い。トラックが通ると風が笠を煽り飛びそうになる。ヒヤヒヤしながら狭い歩道を行く。

7:16やっとトンネルを抜ける。ここからは下り坂だが、もう霧がかかっている。ダラダラ国道を下って行ってると、突然停車していた車から女性が出てきて、「朝早くから歩き遍路お疲れ様です。朝歩いてるのを見掛けて、用事が済んだのでここで待っていたんです。荷物になるけど、お接待です。」と言い、ジュースとカロリーメイトが入ったレジ袋を渡してくれた。「今日は、朝霧が濃かったから昼間はいい天気になって暑くなるよ。水分摂って倒れない様にね。頑張ってください。」突然で驚いたが、丁寧にお礼を言いあり難く頂いた。

7:56ポケットパーク札掛に到着。何ヶ所か休憩所があるが、一番手間の休憩所で休憩し、先程頂いたカロリーメイトとジュースを頂く。

8:24ちょっと休憩が長くなったが、小屋を出発する。この先大洲の町に入るまでずっと下り坂だ。丁度今のペースだと9:30頃大洲の温泉に着きそうだ。開店時間が9:30からだから丁度良い。なんて考えながら歩いていると、9:21に着いてしまった。入口前のベンチで時間調整し、9:30に玄関が開いたので、開店待ちしていた人達の後に続いて入館した。温泉だけなら600円だが、遍路割っていうのがあるらしく、受付の女性が声を掛けてくれ割引してくれた。コインランドリーは無いので、洗濯は出来なかった。

10:13温泉を出て、大洲の街並みを通り弘法大師が寝ていたと言われている十夜ヶ橋に向かう。

11:50別格第八番十夜ヶ橋永徳寺に到着する。国道56号線沿いにあるお寺だ。早速お参りをして、、、と思ったら、本堂が無い。平成30年西日本豪雨の時に被害を受け取り壊ししたのだ。再建に向け準備していると書かれてあったが、歴史ある建物が無くなった事は非常に残念である。大師堂にもその時の水位がここ迄あった事を示す看板がつけられていた。私の身長より高い所にあり、よく大師堂が流されたり、壊されたりしなくて良かったと思う。お参りをし、御朱印を頂いた後数珠玉を購入し、ご住職に大師が野宿されていた橋の下への行き方を聞き12:07永徳寺を出る。大師が野宿されていた橋の下へは出口からすぐ行け、国道56号線で使用している橋の下であった。ここも豪雨災害で被害を受けた模様で、設置してある大師像など全て新しくされてあった。

橋の下を出てからは国道56号線をジワジワ上り内子の町を目指す。内子の町を出て国道379号線に分かれて行くのだ。途中何度か休憩しながらひたすら国道歩く。内子の町通りすぎ国道379号線への分岐につく。ここに道の駅内子フレッシュパークからりがある。野宿ポイントにしていた所だ。ここに到着したのが15:15だったのでまだ来場客が多くいたが、野宿できそうなポイントは数カ所あった。休憩がてらマロンアイスクリームを食べ15:37道の駅を出る。今日のペースだと、この先にある「お遍路無料宿」まで行けそうだ。川沿いの道をダラダラと登っていると、16:39長岡山トンネルに着く。無料宿はこのトンネルを抜けた先だ。狭い歩道を車が横を通るたびにビクビクしながら歩く。16:45トンネルを抜け無料宿に着く。荷物を下ろし向かいの畑で作業をしている方に声をかけたら、「そこの人はもう時期帰ってくるよ。」と言われた。無料宿の向かいにある果物直売所も同じ方の持ち物らしい。暫く待っていたがなかなか戻ってこられないので、一旦小屋に戻りマットを出し宿泊準備を行なっていたら車が向かいに止まる音がした。小屋を出てみてみると、直売所に果物を運んでいる途中だった。道路を渡り声を掛け、向かいの無料宿をお借りするお礼を言い、直売所前にある水道の水を少し使っても良いか尋ね了承いただく。早速手拭いを濡らし体を拭き小屋に戻りシャツを着替える。無料宿の小屋は元々は農機具置き場か果物の保管所だったようで、屋根下に空間が作ってあり風がよく通る様になっている。畳が6枚ひいてあり無造作に布団が積み上げられている。寝具は自前の物を使うのでお借りしなかったが、畳敷はありがたい。小屋の中の電気は止まっているため中は真っ暗だが、ライトを持っているので問題ない。夜は冷えそうなのでシュラフカバーを出し寝袋を中に突っ込んで暖かくして寝る。

本日の歩行距離  35.7Km(50,848歩)

お参りした札所  別格第八番十夜ヶ橋永徳寺