やさぐれオヤジの四国遍路の旅

還暦を前にしたオヤジの、四国88ヶ所歩き遍路の旅日記です。

遍路7日目(二十番鶴林寺〜二十二番平等寺)

2022年9月23日(金)天気 雨のち曇

朝5時に起きてテントを撤収。若干雨が降り込んでいてフライシートが濡れていたが、パサパサ水を弾けば済む程度で助かった。ただ、昨夜干した洗濯物は全く乾いておらず、半渇きの状態でビニール袋に入れる。どうせ今日はカッパを着て汗で濡れるのだから、生乾きでもいいかな〜?と一瞬思ったが、やはり乾いた服を着よう。と思い直し生乾きの服をパッキングした。今日は雨の中、二十番鶴林寺、二十一番太龍寺へ行く予定。標高500mクラスの山二つに登るので、二十二番平等寺あたりの宿泊にしよう。

そう決めるとなんだか時間にゆとりが。朝からお湯を沸かし餅入り野菜スープとカロリーメイトの朝食。優雅に食後のコーヒーを飲んでると、JA直売所のお姉様が、「今から鶴林寺に登るの?雨降って大変だけど頑張ってね」と励ましてくれた。しばらくして、「お接待よ。」と言って鉄分入りのウエハス3個と缶コーヒーを持ってきてくれた。店の開店準備の邪魔をしているんじゃないかな?と少し不安になっていたが、逆にお接待いただくとは思っていなかったので、驚いてしまった。丁寧にお礼を言って、食後のデザートとばかりに今頂いたウエハスを食べた。7時近くになり近所の農家の方も増えてきたので、6:40荷物を纏め出発する。

鶴林寺への道は整備されわかりやすいが、なんせ山道。登って行くに従って汗が止まらず、メガネに汗が溜まり下がよく見えない。カッパは着ているので中まで雨は入ってこないが、それ以上に汗で服はビショビショ。遍路笠の中につけている手ぬぐいから吸いきれない汗が垂れている。水滴が青いぞ。手ぬぐいが色落ちしているんだ。今更どうしようもないので、なるように任せ、とにかく一歩一歩進んでいく。

8:00に鶴林寺山門到着。山門を覗くと、いつも立っている阿吽の仁王像ではなく、阿吽の鶴だ。石段を上がった先の本堂も阿吽の鶴の像が。鶴にまつわるお寺だけあって拘ってるな〜。

お参りを済ませ御朱印をいただき、8:31鶴林寺を出発。次の太龍寺までは、今登ったくらい下山し、また同じくらい登って行かなければ成らない。台風の影響で山道には小枝や落ち葉が散乱しており、ただでさえ雨で滑る道なので、注意して降りていかなければならない。何度か尻餅をついた時にザックのウエストベルトが外れていることに気がついた。約17kgの荷物が肩紐に全てのしかかって、肩に食い込んでいる。尻餅をついた衝撃でバックルが外れたのかな?と思って見てみると。差し込み口が割れていた。とりあえずその場では直せないので、今日の宿までの辛抱だ。と言い聞かせ肩紐だけで我慢することにした。

9:47水井橋に到着。ここから那賀川を渡り太龍寺までの登り坂になる。道端の看板だと太龍寺までは4.2Km。平坦なら1時間ちょっとだから2時間見て12時前に着けばいいかな。すると、今日中にその次の二十二番平等寺に間に合いそうだ。太龍寺でお参りが済んだら納経所で平等寺あたりの宿情報を聞き宿を予約しよう。そう決めトコトコ山道を歩き始めた。10:31若杉山辰砂採掘遺跡に到着、休憩所で10分ほど休憩しまた山道を登る。11:32太龍寺到着。雨はほとんど気にならない。というか、汗でビショビショになっておりカッパを脱ぐと風が当たって気持ち良い。納経所の前に荷物を置き本堂、大師堂とお参りをして納経所へ。御朱印をいただいた後平等寺あたりの宿情報を聞く。おすすめの宿に連絡したら、体調を崩し休館中とのこと。その宿のおすすめだと、素泊まりのところしか空いていないんじゃないかなと言われているので、自分で探してみることにした。Googleマップで宿を検索すると、夜・朝付きの民宿があったので早速電話した。「一部屋空いてますよ。」との回答。すぐに予約して12:08太龍寺を出発。遍路道の看板を追い、駐車場方面に行きそのまま自動車道をダラダラと降っていく。(後で聞いたのだが、遍路道の看板を辿らず、ロープウェイの乗り場の先から降りていく旧道があったそうだ。遭難事故も多くお寺もあまりお勧めしていないので、遍路道の看板を出していないようだ)13:49遍路小屋第3阿瀬比に到着。近くの自販機で水分補給し10分程度休憩し出発。ここから山道に入る。大根峠を14:42通過。15:11遍路小屋第47大根に到着。ここでも10分間の休憩。平等寺まで後2kmの看板発見。16時頃には平等寺に到着できそうだ。

15:49平等寺到着。山門の仁王像がマスクをつけている。仁王像が屋外で風通しの良いところにいるんだから、マスクは外しても良いのにな。と思いながら境内に入る。納経所の前の休憩所に荷物を置き参拝し御朱印をいただく。16:12平等寺をでて今日の宿までは直ぐだ。宿に着くと「雨の中大変やったね。今日は満室だけど、一番乗りだから、他の人が帰ってくる前に先に風呂入ってサッパリしてね。」と薦められる。喜んで風呂に入り洗濯を始める。18時から晩御飯。食堂に行くと、立江寺に行く手前で会い簡単に挨拶を交わした男性遍路さん、その後ご夫婦で来られたのは、道の駅で宿のお迎え待ちをしている時に話した2人。最後に来られたのは、やはり昨日道の駅で宿の迎え待ちであった男性遍路さん。泊り客はもう一人男性の歩き遍路さんの5組だった。私以外は、昨日も同じ宿だったとの事。みんな昨日からの行程は同じなので、食事をしながら遍路談義。私以外は全て区切り打ちのため、明日徳島県を打ち終わると一旦自宅に戻るそうだ。行く薬王寺近くの宿情報を交換したり、次回高知県区切り打ちのスケジュールなどを話し合っていた。その中で通し打ちで回れる私の事を皆羨ましがっていた。交通費を考えると、区切り打ちをする事で費用は倍以上になってしまうし、歩きの調子に乗ってきたところで帰らなければならない名残惜しさなど考えると、通しで打てる私は恵まれているのだろう。いや、彼達も退職すれば日程を気にせず回れるのだから、事情はそれぞれという事か。

9時になったので食堂での遍路談義は解散し床に着いた。今日もゆっくり寝れそうだ。

 

本日の歩行距離  25.4Km (37,682歩)

お参りした札所  二十番鶴林寺、二十一番太龍寺、二十二番平等寺